台風が過ぎた。家は残った。でも電気が止まった。
明かり、スマホ、冷蔵庫は、別々ではなく、同じときに止まります。水が出た台風では、家が残っても、電気や水道が使えないことがあります。
停電すると、家の中で何が同時に止まるか

停電で止まるのは、部屋の明かりだけではありません。普段は別々に使っているものが、同じタイミングで使えなくなります。
1.照明が止まる
困るのは夜です。部屋の中を移動する、物を探す、トイレに行く。いつもなら意識しない動作にも、明かりが必要になります。
日中は気にならなくても、日が暮れると家の中でできることが限られます。停電が長引けば、暗い時間をどう過ごすかも問題になります。
2.スマホの充電が止まる
スマホ本体に電池が残っていても、充電できなければ使える時間には限りがあります。
家族との連絡、自治体からの情報、道路や交通の状況確認など、災害時にスマホを使う場面は少なくありません。一方で、画面をつけ続けたり、通信環境を探して何度も接続したりすると、電池は減っていきます。
停電中は、スマホを使えることと、充電できることを分けて考える必要があります。
3.テレビやWi-Fiなど、情報を得る手段が止まる
テレビや家庭用のルーターも、電源が必要な機器です。停電すると、スマホ以外で情報を得る手段も使えなくなる場合があります。
ただし、通信設備の状況や利用する機器によって、使えるかどうかは異なります。スマホの通信が使える場合でも、停電や回線障害の影響が重なれば、いつもどおりに情報を得られるとは限りません。
4.冷蔵庫が止まる
冷蔵庫は、停電してもすぐに中の食品がすべて傷むわけではありません。ただし、停電が長引くほど、庫内の温度管理が難しくなります。
何度も扉を開けると冷気が逃げやすくなるため、停電中は開閉をできるだけ減らすことが基本です。食品の状態は、停電時間や庫内の温度、食品の種類によって変わります。
食料を備蓄していても、冷蔵・冷凍している食品を普段どおり保存できるとは限りません。
5.季節によっては、室温の調整も止まる
エアコンや電気ストーブなど、電気を使う冷暖房機器も停電の影響を受けます。
真夏や寒い時期に停電が続くと、照明や充電とは別に、室温をどう保つかという問題が出てきます。季節や家の構造、住む人の体調によって、影響の大きさは変わります。
6.医療機器など、別枠で考える必要があるもの
在宅で電源を必要とする医療機器を使っている場合は、一般的な家庭の停電対策と分けて考える必要があります。
必要な電力や使用時間、予備電源との適合性は機器によって異なります。
一般的なモバイルバッテリーやポータブル電源で代用できるとは限らないため、機器の製造元や医療関係者に、停電時の対応を事前に確認しておくことが重要です。
水害のあと、家が無事でも電気が戻らないことがある

台風による停電は、電線や電柱の被害だけで起きるわけではありません。浸水によって、家の中の電気設備や家電が影響を受けることもあります。
浸水した家電は、乾いても通電しない
家電やコンセントが浸水した場合、見た目が乾いていても安全とは限りません。内部に水分や汚れが残っていたり、部品が損傷していたりする可能性があります。
浸水した家電やコンセントには触れず、自分で電源を入れて確かめないでください。 電気設備の安全確認は、電力会社や電気工事の専門業者などに相談してから行います。
水が引いたことと、電気を安全に使えることは同じではありません。
電気と水道は、同じ順番では戻らない
停電や断水が起きたとき、復旧する順番や時間は被害の状況によって変わります。電気が戻っても、水道が使えないことがあります。反対に、水が出ても、浸水した電気設備を安全に使えるとは限りません。
マンションでは、建物全体への電力供給だけでなく、給水ポンプなどの設備が影響を受ける場合もあります。自分の部屋に大きな被害がなくても、建物の設備が使えなければ水を使えないことがあります。
つまり、家の中が無事に見えることだけでは、普段どおりの生活に戻れるかどうかは判断できません。
車があっても、電源の代わりになるとは限らない
車を電源として利用できるかどうかは、車種や装備、接続する機器によって異なります。すべての車から家庭用の電源を取り出せるわけではありません。
また、浸水した車や電気設備を安全確認なしに使うのは危険です。車があることだけを前提にせず、停電時に何が使えるかは個別に確認する必要があります。
水・食料と同じように、電気にも「3日間」を考える
災害への備えでは、水や食料を数日分用意することがよく勧められます。電気についても、停電がすぐには解消しない場合を想定して、何を優先して使う必要があるかを考えておくと、必要な備えを整理しやすくなります。
農林水産省などの防災情報では、家庭での食料備蓄について、最低3日分、できれば1週間分が目安として示されています。水についても、飲料水や調理用の水を確保する必要があります。
水や食料の量を考えるのと同じように、電気についても「何日間、何を使いたいのか」を考えてみます。
| 項目 | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 明かり | 夜間に最低限必要な場所を照らせるか |
| スマホ | 連絡や情報収集に必要な充電を確保できるか |
| 情報 | スマホ以外の情報源も必要か |
| 食品 | 冷蔵庫が止まった場合、何を先に使うか |
| 室温 | 暑さや寒さへの対応が必要か |
| 医療機器 | 専用の停電時対応や予備電源が必要か |
たとえば4人家族で3日間を考えるなら、飲料水や調理用水は1人1日3Lを目安にすると、合計36Lになります。2L入りのボトルなら18本です。
携帯トイレも、人数と日数から必要量を考えます。1人1日5回を目安にすると、4人家族で3日間は60回分です。
ただし、これらは水やトイレの備えの計算です。
電気に必要な量は、使いたい機器と使用時間によって変わります。
スマホだけを充電したい場合と、医療機器や冷暖房などの電力が必要な場合では、必要な備えは同じではありません。
「電気を3日間使えるようにする」と一括りにするのではなく、止まると困るものを分けて考えることが出発点です。
来る直前に、満充電しておくもの
台風が近づいているときは、新しく何かを買い足す話よりも、すでにあるものを使える状態にしておくことが先です。
- スマホを満充電にする。
- 手持ちのモバイルバッテリーも充電する。
- LEDライトやラジオを持っているなら、暗くなってから探さずに済む場所にあるか確認する。
- 浸水した家電やコンセントには触れない。避難時にブレーカーを切る場合も、浸水や濡れた設備などの危険がなく、安全に操作できるときに限る。
浸水の危険がある場所では、電気設備に近づかないでください。安全に操作できるか判断できない場合は、無理に触らず、避難を優先して専門機関に相談します。
まとめ
台風の停電で考えるべきなのは、照明やスマホなど、個々の機器が使えなくなることだけではありません。家は残っていても、複数の機能が同時に止まり、水害のあとには電気が安全に戻るまで時間がかかることもあります。
水や食料に3日分の備えを考えるように、電気についても「何を、どのくらいの期間使う必要があるか」を整理しておくことが大切です。特に医療機器など、止められない用途は一般的な家庭用の備えと分けて考える必要があります。
まずは、停電で同時に止まるものと、浸水後にすぐには使い直せないものを把握する。電源を何にするか考えるのは、そのあとです。
次の記事では、停電中にスマホの充電をどう守るかを、電池の減りを抑える方法から整理します。
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